2019年3月24日日曜日

日本大学歯学部附属歯科技工専門学校同窓会講演会

平成30年度 

日本大学歯学部附属歯科技工専門学校同窓会講演会

先生!ちょっといいですか?
~なぜ、すれ違うかを知るために~
コミュニケーションを考える

升谷 滋行
日本大学歯学部 総合歯科学分野 教授

 歯科医療におけるコアコンピテンス(実践能力)は、歯科医学の知識、患者中心のケア、エビデンスに基づいた診療、その診療の質管理と改善、情報の有用な活用と対人コミュニケーションを基盤としたプロフェッショナリズムだと言われています。
 医師と連携して行われる歯科医療は、歯科医師と歯科技工士さん、歯科衛生士さんなどの医療関係者と患者さんや家族の方をも含めた、異なった立場にある人が対等のパートナーとなり、ひとつの目標、すなわち「患者さん全身の健康につながるお口の健康を守る。」という目的を共有することで、長期にわたり特定の計画を遂行することで完成されるものであると言われています。

 歯科医療は「コラボレーション(協働)」なのです。
この協働は、数々のリスクをともなうため、調整をしながら努力する形態です。
その調整には、適切なコミュニケーションが必須となるわけです。

 今回は、この誰もがご存じの言葉、コミュニケーションとその能力について、もう一度、重要性をおさらいし、相手や場面に応じて適切な表現をする能力と対人コミュニケーションを円滑にする方法に焦点を当てて例を挙げて解説します。
 さらに、科学的根拠のある分析ではありませんが、世代論について少しふれます、平成28年度統計によると、歯科技工士さんは約48%が50歳以上であるとのことです。

 ベビーブーマーからデジタルネイティブ世代までの、多世代にわたる仲間と協働している現代社会では、各世代がどのような社会背景に育ち、
どの様な価値観に基づいて生活しているかが想像できれば、話がしにくく、わかり合えないと思われる異なる世代の人とも、仕事や日常のコミュニケーションが円滑にすすめられるかもしれません。

 自分を知り、他人(ヒト)を知ることで、歯科医療が目指している協働の成功につながるような「対人コミュニケーション」のヒントをお話しできればと思います。

【講演者プロフィール】

升谷滋行(ますたに しげゆき)
日本大学歯学部総合歯科学分野 教授

【略歴】

日本大学歯学部卒業
日本大学大学院歯学研究科修了
日本大学助手(歯科保存学第Ⅰ講座 保存修復学)   
インディアナ大学歯学部材料学教室留学
日本大学講師 (歯科病院綜合診療科)
日本大学助教授(卒直後研修分野) 
日本大学准教授
日本大学歯学部診療教授
日本大学教授(総合歯科学分野)

【専門医、認定医、学会活動、その他】

日本歯科医学教育学会評議員
日本総合歯科学会理事 認定医 指導医 
日本歯科薬物療法学会(ICD認定)
日本歯科医療管理学会評議員 認定医 
日本歯科保存学会評議員 保存治療認定医
日本医療安全学会代議員
一般社団法人 保健医療ネットワーク(GIAHN)理事
平成31331日現在